高齢者の病気・怪我

【ALS 筋萎縮性側索硬化症】介護士としてどう関わるのがいい?

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ALS-筋萎縮性側索硬化症-という病気について、詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。

私自身もしっかりと理解している病気ではありません。

今日たまたま、著名な方が亡くなり、ALSを患っていたというニュースをみて記事を書くことにしました。

詳しく理解をしているわけではありませんが、介護士として働いている中でALSを患っている利用者さんと関わる機会があったので、その体験談として読んで頂ければと思います。

ALS 筋萎縮性側索硬化症 はどんな病気?

先に「ALSって何?わからん!」っていう人の参考になるように、簡単にALSについてふれていきますね!

”ALS-筋萎縮性側索硬化症-”は国で難病指定にしている病気です。
ただ単純に体の筋肉が損なわれる病気ではありません。

脳の運動神経が何かしらの原因で損なわれていき、脳からの指令が伝わらなくなっていくことで動かなくなります。それに伴い、体の筋肉も痩せてしまうのです。

ハッキリとした原因や完治に向けての治療法も今のところありません。
言い方が悪いかもしれませんが、進行を遅らせる薬や対症療法をしながらも、常に死が隣り合わせにある状況です。

『明日、もうこの世にいないかもしれない・・・』
そんな不安や恐怖の中で過ごしている利用者さんも少なくないのではないしょうか。

薬の服用や対症療法でALSの進行を遅らせる事ができたとしても、数ヶ月、何年か先には口や喉の周りの筋肉が弱まり、呼吸がしづらくなったり、嚥下障害も出てきます。

その場合、気管切開や人工呼吸器、胃ろう造設などで対処することも。
病院の先生も比較的若い患者さんだと「体力のあるうちに・・・」と、胃ろうの造設を勧めることもあるようです。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)の情報サイト
ALSステーション 明日をつなぐ、人をつなぐ
田辺三菱製薬さんが運営しているALSについてのサイトです。
 見やすいので、もっとしっかり知りたい方はこちらへ。

ALSの利用者さんとの体験談

約10年、介護の仕事をしてきて、ALS-筋萎縮性側索硬化症-を患っている方には2人出会いました。

ALSの利用者さん(Aさん)

高齢者の男性で、新人の私に色んな事を教えてくれる、明るい人でした(笑)
結局、この利用者さんがいる施設で長く働くことがなかったので、体験談としては少し内容が薄くなります。

Aさん、ちょっとべらんべぇな感じもあるんですが、排泄ケアの時などは「こんなことさせちゃって悪いね。適当でいいからさ!」なんていう気遣いもしてくれる人です。

あ!もちろん適当でいいって言われたからって、適当にはやらず、しっかり排泄ケアしましたよ!!

基本的に離臥床も手伝いが必要です。
離臥床+排泄ケアの時なんかは、ある程度話す時間があるので、Aさんの本音が垣間見れる事もありました。

「ALSって知ってる?知らないだろー」と聞く、Aさん。私が知っている事と前の職場で関わっていた事を話すと、なんだか嬉しそうな表情をしていました。

ALSっていう病気をろくに知らない職員に、励まされたりすると腹が立つというような事も話してましたね。(そこの若い職員が悪ノリする傾向にあったから?)

今後自身がどういう経緯を辿っていくか、気管切開・人工呼吸器・胃ろう造設・・・全ての説明を先生から受け、Aさんは理解していたんですよね。

そして年齢的なものもあり、胃ろう造設手術に踏み切る体力がないから造設はしない、と話していました。

その上で、色んな状況から決めた事、諦めた事がある中での生活で、「病気の事知らないだろ!」って思わせるような発言を、介護士がしたらダメですね。

ALSの利用者さん(Bさん)

話が前後になってしまうんですが、初めてALSの利用者さんに関わったのがBさん(女性)です。Aさんの時とは別の施設での話になります。

Bさんは高齢者ではなく、若くして(私が出会った当初は40代後半)、ALS-筋萎縮性側索硬化症-を発症した利用者さんでした。

Bさんの場合は言っちゃなんですが、施設側がという意味で、環境が悪かったかもしれません・・・。

ALSの進行は緩やかな人と早い人がいます。Bさんは後者だったんじゃないかなと思います。ちなみに、排泄・入浴・食事など、ほぼ介助が必要な状態でした。

Aさん同様、自身がどういう経緯を辿っていくのか理解していたのと進行が早いこともあって、常に死が隣り合わせにある恐怖があったんだと思います。

出会った当初は、ほんわかニコニコ笑う人だったんですが、段々と職員の選別をするようになっていきました。
Bさんが施設を移る前の最後の方なんかは、しっかりケアなり対応させてもらえる職員が片手で足りちゃうんじゃないか!?ってところまでいっちゃいましたからね^^;

「ただのわがままなんじゃないの?」って会議で言っちゃう職員も出ちゃうくらい・・・。

でもね、”ただのわがままではない”んですよね。
『今日できた事が明日はできない』の次にくる恐怖は『明日、死んでるかもしれない』だと思うんです。元がネガティブに考えやすい性格なら特に。

「そうなったら、あなたは今日をどう生きたいですか?」

私ならできるだけ苦痛も少なく、穏やかに生活したいです。

そう考えると、Bさんの職員の選別やああしてほしい、こうしてほしいは単なるわがままではないですよね。

まとめ

介護の仕事に”絶対的な正解はない”というのが私の考え方です。
なので、どの対応が絶対に良い、これが正解!!なんてものは、ALSの利用者さんに限らずありません。

ただALSの利用者さんの場合は、”今日できた事が明日はできない”っていう可能性を常に頭に入れて考えなければいけないなと学びました。

何よりも、ALSの利用者さんの心に寄り添う事が難しい。
寄り添い方を間違えれば、不安や恐怖の中に苦痛までプラスされてしまうことになりかねません。

進行してくると、たしかに何を言っているのかわからない事もあります。
時間に追われる介護士だけど、聞く姿勢で利用者さんと向き合って話を聞いてあげてください。

ちゃんと聞く気になって向き合うと何言ってるのかわかったり、関係性が築けていたらジェスチャーだけでもわかるようになります^^

何回も聞き直されて嫌な思いをしたり、もっと言うなら傷つくと話す事をやめてしまう人もいる。それじゃあ、意味がないんですよね!

ALSの利用者さんと関わった体験は大変な事もあったけど、介護士として色んな事を学べたと感じています。